世の中には女性しかなることのできない仕事があります。その1つが助産師です。出産を経験したママなら関わったことがあるでしょう。助産師というのは、具体的にどのような存在なのでしょうか。
出産に立ち会い、赤ちゃんを取り上げる。これを助産師の仕事だと思っている人もいるかもしれませんが、実際はそれだけではありません。妊婦の健康管理、食事や運動の指導、出産後の体調管理、母乳・乳児指導のような妊娠から出産、育児に至るまでの一連の管理と指導活動を担当しています。少子化により、助産師本来の仕事である分娩介助の機会は減ってきています。産科の閉鎖も相次いでいることから、助産師の活躍の場も減っていると思われがちです。ただ、最近の産科医の減少によって助産師が妊婦を健診・指導する助産師外来に注目が集まっていますし、若年層への性教育指導、成人への家族計画指導、産後の女性の身体についてのアドバイスなど求められることが徐々に増えてきました。人の一生に関わる存在として、新たなポジションを築き始めています。
助産師になるためには看護師免許が必須になります。そのため、まずは看護師になるための勉強をして免許を取得してからさらに1~2年間、助産師の教育機関で学ばなくてはいけません。そこを卒業・修了すると助産師国家試験の受験資格を得られます。さまざまな教育機関がありますが、2019年4月には助産師の専門職大学も開設される予定なのでチェックしてみるといいでしょう。
助産師の就業者数はどんどん増えており、平成28年には4万人弱まで伸びてきました。それでもまだまだ助産師は不足しているといわれています。せっかく助産師資格をとっても、激務や労働環境が原因で辞めてしまう人が多いからだそうです。長く仕事を続けるには職場選びがポイントといえるでしょう。ちなみに年収面を見ると、看護師の平均年収が473万円であるのに対して助産師は560万円。看護師としてキャリアを積んだあと、ステップアップするために助産師をめざすというのも1つの選択肢です。