産科医不足問題について考えてみる

これからママになる人には、懸念すべき問題の一つが産婦人科不足問題です。

かねてより医師不足が叫ばれている産科医ですが、地域差があり危機的な県も存在するとのこと。日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会の試算によると、10年後の産婦人科医の数は全国では7%上昇する見込みも、これは大都市を中心にしたものであり、地方では激減する見込みとなっているようです。

とはいえ、大都市といえど分からないものです。現に、神奈川では川崎や横浜といった大都市において産婦人科の医師が不足しております。神奈川県はこの二都市に医師や病院の大半が集中している現状なのですが、実は産婦人科と小児科医に関しては不足しており、それが問題となっています。大都市ゆえに移住者が多くなり、これから誕生する命もあるわけですが、それが追いついていない現状です。

ドクタービジョンという医師専門の求人サイトがあるのですが、これで神奈川県の医師転職案件を調べると、産科の件数は一般内科や一般外科よりは多くはないものの、1500万円からの求人案件が多いなど、報酬面では一般内科や外科よりも高額だったりします。そのことからも、産科医は年々減少の一途をたどっており、深刻な状況にあることが分かるような気がします。

「出産難民(お産難民)」なんて言葉ができるぐらいの産科不足の原因は、労働条件が過酷で産科医になりたいと希望する人および今産科医として働いている人がどんどん減少していることが原因とされています。もはや、産科医療は、状況を打破するためにも国家・社会のサポートが必要な状況にあるのではないでしょうか。

産科医は素晴らしい職業です。今、この記事を見ているほとんどの人が産科医とママによってこの世に生を受けたのですから。つらい現状ばかりをアピールするのではなく、労働環境の改善はもちろん、医療教育の場で産科医の素晴らしさを鮮明に伝えていくことこそが、必要なのではないでしょうか。